Core Lightning v25.02：「オニオンパケットフィラー認証」

Core Lightning v25.02 のリリースを発表できることを嬉しく思います。本バージョンは、コントリビューターの Se7enZ により「オニオンパケットフィラー認証（Onion Packet Filler Accreditation）」と名付けられ、リリースキャプテンの Alex Myers によって主導されました。v24.11 を基盤にしたこのリリースは、Core Lightning の安定性と機能性をさらに向上させるためのメンテナンス中心のアップデートです。

ユーザーとネットワークのハイライト

今回のリリースでは、chanbackup プラグインにいくつかの強力な新機能が追加されました。v0.12 以降、スタティック・バックアップはピアとのフォースクローズを通じて資金を回収できるようになっており、v23.02 で導入された実験的機能 peerstorage により、この情報はピアノードにもバックアップされるようになりました。今回のリリースでは、スタティック・チャネル・バックアップに shachain 情報とピアの basepoints 情報が追加され、相手が古いステートで不正を試みた際に、ペナルティトランザクションを構築・実行できるだけの情報が揃いました。これにより回復プロセスの最後の穴が塞がれ、peerstorage を利用するピアは実質的にチャネルのウォッチタワーとなります。

また、ブラックリストに登録されたルーンを relist コマンドで復元できるようになり、チャネル管理が改善されました。

XPAY プラグインでは多くのバグ修正が行われ、xpay-handle-pay 設定との連携がスムーズになり、安定性が向上しました。lightning-cli はヘルプ出力がより整理され、setconfig の改善によりランタイムの設定変更を専用の config.setconfig ファイルに分離することでセキュリティが向上しました。さらに、--experimental-dual-fund フラグでリースされたチャネルがフォースクローズされた場合に資金を回収できなかった問題も修正されています。

スプライシング機能も強化され、Eclair との相互運用性を高めるためのより厳密なチェックが導入されました。

開発者向けのハイライト

開発者にとっての注目点としては、clnrest が Rust 製プラグインとして再実装され、パフォーマンスが最適化されたことが挙げられます。listpeerchannels コマンドには新たに their_max_htlc_value_in_flight と our_max_htlc_value_in_flight の2つのフィールドが追加され、チャネルの制限計算がより正確に行えるようになりました。

さらに、リアルタイムモニタリングを強化するため、plugin_stopped と plugin_started の通知が追加されました。fetchinvoice コマンドでは、BIP353 に準拠したDNSペイメントインストラクションフィールドが新たにサポートされ、インボイスの柔軟性が向上しています。このフィールドは、リモート発行ノードによる BOLT12 インボイスの特殊な取り扱いに対応するための互換性確保にも役立ちます。

コントリビューターの皆さんに感謝を込めて

Core Lightning チームのたゆまぬ努力に感謝します。主なメンバーは以下の通りです：

Alex Myers、Rusty Russell、Christian Decker、Peter Neuroth、Shahana Farooqui、そして Lisa Neigut

前回のリリースからわずか68日間で、21人の開発者によって242件のコミットが行われました。新たに参加した開発者には、Nishant Bansal、gudnuf、Erick λ などが含まれています。

また、このリリースに「Onion Packet Filler Accreditation」という名前を付け、多数のバウンティに取り組んでいる Se7enZ にも特別な感謝を表します。現在募集中のCLNバウンティ一覧は こちら からご覧いただけます。

最後に、Core Lightning v25.02 をぜひ試してみてください。フィードバックは Build On L2 フォーラム で受け付けています。また、チームとは X、Telegram、Discord を通じてつながれます。

Core Lightning コミュニティの成長に貢献してくださる皆さんに、心から感謝いたします！