Core Lightning 25.05「サトシの OP_RETURN に対する見解」
- yutaro stacksats
- 6月17日
- 読了時間: 4分

Core Lightning v25.05「サトシの OP_RETURN に対する見解」のリリースを発表できることを嬉しく思います。本バージョンは、コントリビューターのPeter Neurothによって命名され、Shahana Farooqiがリリースキャプテンを務めました。このリリースは v25.02 を土台としており、ユーザー体験、開発者ツール、ネットワーク性能にわたって多数の改良を加えています。
ユーザーとネットワークのハイライト
Core Lightning v25.05 は、パフォーマンス最適化と使いやすさの向上を目的とした重要な改善を提供します。
コミットおよびリボークメッセージのレイテンシが削減されたことで、Lightningトランザクションがより高速になり、スムーズなユーザー体験を実現します。これは特に、モバイルアプリやミリ秒単位の支払い処理が求められるユースケースにおいて重要です。
また、Recklessプラグインマネージャが reckless update コマンドを通じて既存のプラグインを更新できるようになり、プラグイン管理が簡素化され、ユーザーは最新の機能をより簡単に利用できるようになります。
高容量チャネルにおいては、AskReneを用いたルーティングが大幅に改善され、支払いの信頼性が向上しています。これにより、xpayやrenepayの成功率が向上し、ネットワーク全体での失敗が減少します。さらに、アンカー手数料の計算がより正確になり、トランザクションの予測性とコスト効率が改善されました。
ピアストレージ機能は、これまで実験的な機能として提供されていましたが、今回のリリースからデフォルト設定となりました。この機能により、暗号化されたバックアップデータをピアに保存することができ、ノード喪失時のリカバリ能力が強化されます。チャネルの相手が一部ウォッチタワーの役割を果たすことで、安全性が向上します。
チャネルスプライシングも改善され、プロトコル準拠の強化やReplace-by-Fee(RBF)への対応が追加されました。これにより、チャネル残高の調整に柔軟性が生まれます。また、Eclairなど他のLightning実装との互換性も向上します。スプライシングにより、チャネルを閉じることなく資金を追加・削除でき、オンチェーン手数料を抑えつつチャネル履歴を維持できるため、アプリやサービスの稼働継続にとって重要です。
開発者向けハイライト
Core Lightning v25.05では、開発者向けにいくつかの注目すべき新機能が追加されました。
listhtlcs コマンドは、index、start、end パラメータによるページネーション対応が追加され、大規模なデータセットの取り扱いがより簡単になりました。さらに、wait API が listhtlcs サブシステムにも対応し、アプリケーション内での同期処理がより柔軟に行えるようになっています。
また、本リリースでは Lightning Service Provider Specification(LSPS)の統合に向けた基盤が築かれています。LSPS0トランスポートプロトコルに対応するクライアントおよびサーバープラグインの初期実装が含まれています。LSPSは、ノードを直接運用していないユーザー(ウォレットやアプリなど)と、Greenlight や LSP(Liquidity Service Provider)といった Lightningインフラとのインタラクションを標準化することを目指しています。これにより、Lightning-as-a-Service エコシステムが拡張され、開発者の複雑性が軽減されるとともに、ウォレットと流動性プロバイダの相互運用性が向上します。
開発者は新たに signmessagewithkey RPC を使用可能になり、ウォレットキーによるメッセージの安全な署名が可能になります。これにより、メッセージ認証や分散型ID検証といった新たなユースケースが実現されます。また、sendonion コマンドは sendpay との互換性を達成し、新たに total_amount_msat パラメータが追加されることで、より精緻な支払い処理が可能になります。
貢献者への感謝
今回のリリースに尽力いただいた Core Lightning チームの皆様に特別な感謝を捧げます。
v25.02以降、103日間で合計338コミットが行われ、22人の開発者が貢献しました。そのうち5人は新規コントリビューターで、Erick Cestari、Zen、Jiri Jakes、Boris Nagaev、21M4TW の各氏が含まれます。
すべてのアップデートの詳細は、公式 changelog をご覧ください。
ぜひ Core Lightning v25.05 をダウンロードして体験してみてください。皆さんからのフィードバックが重要です。体験談や提案は Build On L2 フォーラム で共有してください。また、最新情報は X、Telegram、Discord にて随時発信しています。
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