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Adam Backが【WebX2025】に登壇:ビットコインベースの金融システム「ビットコインOS」

  • 執筆者の写真: yutaro stacksats
    yutaro stacksats
  • 8月25日
  • 読了時間: 5分
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Blockstream CEOのAdam Back(アダム・バック)がWebX2025に登壇。ビットコインを金融オペレーティングシステム(OS)として提案し、カストディ、プログラマビリティ、そして機関投資家の採用を強調しました。



  • WebX2025において、アダム・バックは「ビットコインOS」という構想を紹介し、ビットコインを金融オペレーティングシステムとして描きました。


  • マルチアセットのカストディとアカウント分離は、コンプライアンスとセキュリティを強化します。Liquid Networkはプログラマビリティとスケーラビリティを追加します。


  • 機関投資家の採用が進むことで、デジタル資産と従来の金融ツール(ETFや株式など)がオンチェーンで融合し、新しい金融インフラが構築される可能性があります。


  • ビットコインの役割は「デジタルゴールド」から拡大し、資産発行・取引・コンプライアンスまでを支えるグローバル金融の基盤レイヤーへと進化するかもしれません。



ビットコインの新しい未来像


東京で開催されたWebX2025カンファレンスにおいて、Blockstream CEOのアダム・バックは鮮烈なアイデアを提示しました――それが「ビットコインOS」です。


彼は、ビットコインは単なる価値の保存手段ではなく、拡張性・コンプライアンス・セキュリティを備えたオペレーティングシステムへと進化し、未来の金融市場を支える存在になると語りました。


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カストディとアセットマネジメント


アダム・バックはまず、マルチアセットのカストディとアカウント分離に焦点を当てました。


機関投資家にとって、デジタル資産ソリューションは単なる「金庫」以上のものです。最大の関心事は、管理がコンプライアンスの枠組みの中で安全・透明・持続可能であるかどうかです。


彼はレイヤー構造と分離の必要性を強調しました。各クライアントの資産は独立して管理され、システミックリスクや誤りを回避できます。同時に、強制的な支出ルールがファイアウォールのように機能し、カストディアンが自由に資金を動かせないようにします。


つまり「信頼」はコードに書き込まれた厳格なルールとなるのです。


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より重要なのは、このシステムが単なる保管にとどまらない点です。資産のライフサイクル全体──発行、配当支払い、償還──をカバーします。あらゆるステップがオンチェーンで透明化され、検証可能で、追跡可能です。


アダム・バックはこれを「機関投資家向け管理への本物の道筋」と表現しました。ブロックチェーンによって、コンプライアンスやセキュリティは紙の上の約束ではなく、システムに組み込まれた技術的保証となるのです。



Liquid Networkとプログラマビリティ


ビットコインの未来について語る中で、アダム・バックはLiquid Networkを強調しました。

Liquidはビットコインの代替ではなく、自然な進化形です。これによってビットコインは「価値の保存」から「機能するプラットフォーム」へと変貌します。


その強みはプログラマビリティにあります。Simplicity言語を用いることで、開発者はルールを数学的に証明でき、検証可能かつ改ざん不可能なものにします。セキュリティはもはや人間の監査に依存せず、コードそのものに依存するのです。


さらにLiquidはスケーラビリティももたらします。大規模取引や特定の資産クラス向けに、企業は独自のネットワークやルールを構築できます。金融市場にとってこれは、ビットコインが単なる「静的資産」ではなく、複雑なロジックを支えるオペレーティングシステムの中核になることを意味します。


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機関投資家の採用と金融統合


アダム・バックはまた、機関投資家の力を強調しました。デジタル資産市場はもはや個人投機の領域ではなく、規制の段階へ移行しています。


現在、企業や機関は株式やETFにおいて大きなシェアを保有しています。彼らにとってブロックチェーンは単なる概念ではなく、効率を高め、コストを削減するためのツールです。


✔︎ 清算において、ブロックチェーンは仲介者を減らし、時間を短縮します。


✔︎ コンプライアンスにおいて、オンチェーン記録は透明性をもたらし、監査コストを削減します。


✔︎ 事業拡大において、企業はデジタル資産を活用して顧客向けの新しいサービスを創出できます。


だからこそバックは、金融企業こそがブロックチェーンの恩恵を最初に受ける存在だと語りました。彼らの関与によって、デジタル資産は単なる「投資ストーリー」ではなく、グローバル経済の実体の一部となるのです。



金融商品を支えるブロックチェーン


講演の後半で、バックは議論を伝統的な金融ツールへと広げました。彼は、ブロックチェーンは暗号資産ネイティブの領域に限定されるべきではなく、株式、ETF、さらにはマルチアセット・ポートフォリオまでを含む可能性を持つと語りました。


株式取引が複数の清算機関を経由せず、直接オンチェーンで行われる未来を想像してみてください。ETFのカストディや償還も、スマートコントラクトによって自動的に処理できます。コンプライアンス監査も、透明な記録により瞬時に完了できるでしょう。


これにより透明性と流動性が向上し、異なる資産が一つのシステム内でシームレスに流通できるようになります。実現すれば、世界の資本市場の仕組みそのものを再構築する可能性があります。


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今後の展望


アダム・バックのメッセージは明確でした。ビットコインは再定義されつつある。もはや単なる「デジタルゴールド」ではなく、金融オペレーティングシステムになりつつあるのです。


これはつまり:


  • インフラ —— カストディ、清算、コンプライアンスがビットコインとLiquid上で稼働する。


  • エコシステム統合 —— 資産が一つのネットワーク上で連携して動作できる。


  • 機関主導 —— 大手金融プレーヤーがブロックチェーン標準化を加速させる。


これは物語の転換点を示しています。すなわち「資産の物語」から「システムの物語」へ。


それは、ビットコインの新しい役割だけでなく、未来の金融システムのあり方そのものに関わるのです。


 
 

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